第202回更新 2024/04/07
時代は再びライトレールに注目している。 かつての路面電車はモータリゼーションの発達とともに都市交通の邪魔者として疎まれ、 多くが姿を消していった。 専用線を走る路線などが一部残ったが、それも風前の灯火であった。 しかし21世紀になって地球温暖化問題が深刻になると、 利便性の追求だけではなく、地球に優しい交通機関が尊ばれるようになり、 ライトレールは二酸化炭素排出量が自動車から比べて少ないことから再び注目されるようになってきた。 都市交通の新しい形としてのライトレールのあり方に注目していきたい。 ここに既存の21路線について紹介していきたいと思う。 画像からそれぞれのページにリンクしています。 |
路線画像 | 路線名 | 運営会社 | 路線解説 | 距離 | 電停数 |
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札幌市電 | 札幌市交通局 | 札幌市内をほぼ四角に走る路面電車で、 すすきのから藻岩山のロープウェイの入り口でを結ぶ。 1909年に石材輸送線として山鼻−石切山間が敷設され、 1918年に札幌電気軌道として開業した路線を、 1927年12月に市営化した。 |
8.5km | 23電停 | |
函館市電 | 函館市交通局 | 1897年に亀函馬車鉄道として開業し、 函館水電に合併され幾つかの合併を繰り返し、 電力統制のため、1943年には道南電気軌道に譲渡された。 更に陸上交通事業調整法により、函館市に移譲され、 現在は2系統で運行されている。 |
10.9km | 26電停 | |
※未取材 | 宇都宮芳賀ライトレール線 | 宇都宮ライトレール | 次世代型路面電車システムを採用し、 2023年8月26日に新規開業した。 上下分離方式を採用、 宇都宮市と芳賀町が軌道整備事業者として設備を保有し、 第三セクターの宇都宮ライトレールが運行を行う。 |
14.6km | 19電停 |
都電荒川線 | 東京都交通局 | 1911年に王子電気軌道株式会社として誕生し、 戦時中に東京市電気局に統合され、 1943年の都制施行により都電となる。 戦後の交通量増加の余波で都電の廃止が進んだが、 専用軌道の多いこの路線が荒川線と名称を変えて存続した。 |
12.2km | 30電停 | |
東急世田谷線 | 東京急行電鉄 | 世田谷区内の三軒茶屋から下高井戸を結ぶ軌道線で、 ほとんどの区間を専用路線を走る。 1925年1月18日に玉川電気鉄道の支線として部分開業し、 同年5月1日には全通した。 1938年3月10日に東京横浜電鉄(現・東京急行電鉄)に合併された。 |
5.0km | 10電停 | |
江ノ島電鉄線 | 江ノ島電鉄 | 1900年11月25日に江之島電気鉄道が設立され、 軌道として建設されていったが、 1928年7月1日に現法人である江ノ島電気鉄道に譲渡され、 1944年には地方鉄道法に基づく鉄道に変更した。 戦後に東急グループから離脱し、小田急グループになる。 |
10.0km | 15駅 | |
豊橋東田本線 | 豊橋鉄道 | 1924年3月17日に豊橋電気軌道として設立され、 1939年9月に名古屋鉄道の傘下に入り、 1954年10月1日に名鉄渥美線を譲渡され、鉄道線も所有する。 この年の7月には社名を豊橋鉄道に変更している。 1976年3月7日には柳生橋支線を廃止し、東田本線のみの所有となる。 |
5.4km | 14電停 | |
富山地鉄市内線 | 富山地方鉄道 | 1913年9月1日に富山電気軌道とて開業した。 一時は市営電車であった時期もあり、 戦時中にのちの富山地方鉄道となる富山電気鉄道に譲渡された。 本線、支線、安野屋線、呉羽線は直列、2009年には富山と新線が開業、 2020年には富山ライトレールを合併、富山港線も編入された。 |
7.6km | 20電停 | |
富山港線(現・移管) | 富山ライトレール | 富山港線は1924年7月23日に富岩鉄道によって開業し、 1941年12月1日に富山電気鉄道(現・富山地方鉄道)に譲渡され、 同年6月1日に富岩線と呼ばれていたこの路線は国有化され、富山港線となる。 2003年にLRT化が検討、2006年に富山ライトレールが誕生した。 2020年3月に富山ライトレールは富山地方鉄道に合併した。 |
7.6km | 13電停 | |
万葉線 | 万葉線 | 万葉線は岡軌道線と新湊港線(鉄道線)からなり、 高岡軌道線は1948年から富山地方鉄道によって作られ、 戦後に一部が加越能鉄道に譲渡されたが、 加越能鉄道の鉄道事業撤退から廃線の危機にあった。 2002年2月万葉線株式会社として再出発した。 |
12.8km | 24電停 | |
福井福武線 | 福井鉄道 | 1921年12月22日に福武電気鉄道として設立され、 1933年10月15日には福武線が全通した。 1945年には合併などで福井鉄道として発足する。 市役所前−田原町間が開業したのは戦後になってからで、 現在は名古屋鉄道のグループ会社となっている。 |
21.4km | 22電停 | |
京阪大津線 | 京阪電気鉄道 | 軌道線である京津線と石山坂本線を総称して京阪大津線という。 京津線は1906年3月19日に京津電気軌道が軌道施設出願し、 1925年2月1日に京阪電気鉄道と合併し、京阪京津線となる。 石山坂本線は国鉄線を電化し、大津電気軌道として開業させ、 1929年4月11日に京阪電気鉄道と合併し、石山線及び坂本線となる。 |
21.6km | 27電停 | |
嵐電 | 京福電鉄 | 1910年3月25日に嵐山電車軌道により敷設され、 京都電燈により全通された嵐電と、 戦時中に三国芦原電鉄などと合併させて誕生した。 福井地区の路線は相次いだ衝突事故によって、 第三セクターのえちぜん鉄道へ譲渡された。 |
11.0km | 20電停 | |
阪堺電軌 | 阪堺電軌 | 上町線は1897年5月26日に設立された大阪馬車鉄道が敷設し、 1909年12月24日に南海鉄道に合併される。 阪堺線は1909年12月28日に設立された阪堺電軌軌道によって敷設され、 1915年6月21日に南海鉄道に合併される。 1980年に阪堺電軌軌道が設立、阪堺線、上町線が分離譲渡される。 |
18.5km | 40電停 | |
岡山電軌 | 岡山電軌 | 岡山電気軌道は1910年6月9日に設立され、 1912年に敷設された内山下線と、 1923年に敷設された旭東線が統合されて東山本線となり、 1946年に敷設された清輝橋線とともに現在の形となる。 水戸岡鋭治氏デザインの超低床車「MOMO」が有名である。 |
4.7km | 15電停 | |
広島電鉄 | 広島電鉄 | 広島電鉄は路面電車としては日本一の営業距離を誇る。 1910年6月に広島電気軌道として開業し、 1917年8月には広島瓦斯と合併、路線を延ばしていったが、 広島瓦斯電軌の交通事業部門が分離独立し、 現在の広島電鉄の形となった。 |
35.1km | 56電停 | |
伊予鉄道市内線 | 伊予鉄道 | 伊予鉄道は松山市を中心に郊外鉄道と、 路面電車を運営する地方鉄道である。 1887年9月14日に設立された四国初の鉄道で、 道後鉄道、南予鉄道、松山電気軌道などを合併し、 市内線のほか、郊外線は高浜線、横河原線、郡中線が現存する。 |
9.6km | 27電停 | |
土佐電鉄 | 土佐電鉄 | 1903年7月8日に設立された土佐電気が敷設した軌道線を、 鉄道線安芸線を開業させた高知鉄道が合併し、 その後幾つかの合併を繰り返し、 1948年6月3日には土佐電気軌道の社名になった。 その総延長は25.3kmは軌道線のみでは日本最大である。 |
25.3km | 76電停 | |
筑豊電鉄 | 筑豊電鉄 | 九州電気軌道や博多湾鉄道汽船が計画し、 これらの会社が合併して出来た西日本鉄道が戦後に免許を出願して、 西鉄の完全子会社として1951年2月15日、筑豊電気鉄道が誕生した。 2000年11月26日に西鉄が北九州線を廃止され、 黒崎駅前−熊西間は筑豊電気鉄道が第二種鉄道事業者となった。 |
16.0km | 21電停 | |
長崎電軌 | 長崎電軌 | 長崎電気軌道は長崎市内に軌道線5系統5路線を所有する。 1914年8月2日に設立され、翌年現在の1系統の一部である、 病院下(現廃止)−築町間が開通し、営業を開始した。 その後路線を延ばしていき、1968年6月17日に、 思案橋−正覚寺下間開通して現在開業の全路線が開通する。 |
11.5km | 37電停 | |
熊本市電 | 熊本市交通局 | 1921年11月16日に設立された熊本電車によって計画され、 1923年4月13日に熊本市に特許が譲渡され、 1959年12月24日には現在営業中の路線が全通した。 5路線と幹線の一部が廃止され、 7系統10路線は現在2系統5路線に縮小された。 |
12.1km | 35電停 | |
鹿児島市電 | 鹿児島交通局 | 鹿児島電気軌道は谷山線を1912年12月1日に全通させ、 1914年12月20日第一期線として武之橋−鹿児島駅前間の1系統が全通した。 1915年12月17日には第二期線として高見馬場−鹿児島中央駅前が開通した。 1928年7月1日に鹿児島市が買収し、鹿児島市電気局が発足した。 1959年10月1日には唐湊線が第2系統が全通した。 |
13.1km | 37電停 |
※路線の選択及び路線名に当たっては、「駅すぱあと」2007年7月第1版の「路面電車」の項目に準拠させていただきました。
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